中古車の流通システム 〜日本の中古車流通事情とオークションの役割
ここではまず、当社のオークションサービスというものを理解して頂く為に、中古車の流通システムについて簡単に説明します。以下、順に次の図をご覧頂きながらご理解頂ければと存じます。
まず中古車はユーザーが手放した(売却した)瞬間からその第2の人生がはじまります。その売却の方法は基本的には3方法あります。
- 新車を購入する為の「新車ディーラー」で下取り
- 中古車を購入する為の「中古車販売店」で下取り
- 「中古車買取専門店」での買い取り
そして、それぞれで引取られた中古車はオークションと呼ばれる業者向けの巨大な取引市場に換金の為、業者向けの商品として出品されます。
一方、中古車販売店は店頭での販売向け車両をそのオークションで仕入れ(落札購入)をするのです。そして、そこで仕入れられた中古車があなたの近所の中古車販売店に並ぶというわけです。そのオークションに参加するには厳しい会員資格審査に合格しなければなりません。
そのオークションでの取引は、「オークション会場」と呼ばれる独立した第3者を介在させる形で、「需要(落札購入側)と供給(出品売却側)」のバランスによる市場原理に基づき「セリ」形式で取引価格が決定され、業者間売買が行われます。
次に、そこで落札された中古車は商品車として再び中古車販売店の在庫として並ぶこととなります。そして店頭にて次のユーザーに販売されるか、また売れ残った場合は再度換金の為オークションに出品されることとなります。
では、そのオークションというものが中古車流通の中で果たしている役割について考えてみましょう。少し前の統計になりますが、2003年に日本で登録された中古車の台数は819万台。そのうちの約 75%にあたる624万台がオークションで取引きされたものです。このオークション流通台数は2005年には前年比17%増の797万台に増加し、2006年には820万台規模へと成長する予測もあり(2006.4.12日本経済新聞)ます。このように、国内における中古車流通の中でオークションは欠かすことの出来ない流通システムとなってきています。
この巨大な流通機能の通過過程で、不透明性の強い中古車の品質のチェック機能を果たすことが出来るようになりました。これが、中古車に対する修復歴の有無の確認です。また、社会問題にまでなっている走行距離の改竄(メーター戻し)を防止する為の走行距離管理システムのデーターベースとしてもオークションの果たしている役割は高いといえます。
※少し古いですが、オークション最大手のUSSオークションの紹介が出ています。参考URI → USSはここが凄い!
Yahoo!オークションとの違い
そこで、ここをご覧頂いている皆様にとって最も馴染みのある「オークション」というのは、「Yahoo!オークション」ではないでしょうか?果たして、当社の言う業者向けのオークションとYahoo!オークションではどのように違うのでしょうか?
根本的に異なるのは、「信用性」と「チェック機能」の違いに尽きます。業者向けオークションに参加するには、各地域の公安委員会許可の古物商(自動車商)の資格を保有し、一定の営業経験を持ち、更に保証人の申請や保証金の預託、有店舗事業者であることの証明のほか、既存オークション正規会員よりの推薦などが必須となります。また、出品される車両も、各オークション会場の基準に基づき、独立した権限の車両検査員が修復歴の有無、走行距離の改竄チェックのほか、機構上の不具合、内外装の傷・凹みや汚れのチェックを行います。そして「出品票(検査票)」と呼ばれる決められた様式の車両状態報告書をすべての出品車両に付ける事となっています。
Yahoo!オークションでは基本的に個人間での売買となりますので、車両状態のチェックも双方が、経験の浅い(若しくは無い)者同士で取引を行う必要があり、取引車両の品質に関しては大きなリスクが潜んでいます。中にはそのチェック機能の弱さを悪用し、走行距離の改竄や、修復歴の虚偽報告で販売している車両も見受けられ、時折、新聞を賑わす事件にもなり社会問題化しています。