オートオークション秘密のノウハウ 〜現役プロオークション相場師が語るオークションの真実!
1.あなたはオークションなら車の値段は(売るときも、買うときも)変わらないと思っていませんか?
中古車は「株」といっしょだよ。「相場」という一定の値動きがあってね、中にはその値動きが50万円近いときもあるんだよ!この前なんか、10年式のホンダのアコードワゴンをあるオークションで 918000円で買って、翌週、他のオークションで売ったら1,061,000円で売れたからなあ。差額で15万円も利益が出ちゃったよ。そりゃ、少しは工夫が必要だけどね・・・。フッフッフ。
工夫?そりゃあ、簡単だよ。高く売りたいなら高く売れるように仕向ければいいのさ。たとえば、オークションは朝9時くらいから、時には夜中12時過ぎまでやっていたりするんだよ。考えてごらん、夜中の12時に買うのと、昼の2時に買うのではどっちのほうがセリの競争相手が多いか、少ないか?いまでもオークションの最初の10台と、最後の10台を買って、翌週の昼間の時間帯に出してごらんよ。きっと買ったときよりも高く売れるからさっ!
あとね、相場の高い会場と安い会場があってね、基本的には出品台数の少ない小さな会場が安く買えるかな。でも、我々プロはそんなアバウトなことよりももっと具体的に、「あそこの会場はランクルプラドが安くて、こっちの会場で高く売れる!でもグレードは量販グレードのTXより最高グレードのTZの方じゃないとそのルールは通用しないよ」とか「ここのオークションはシルビアとシビックのチューニングカーが特に高く売れるな、たぶんあのオート○○とかカーショップ△△がメインの仕入の場にしてるからだろうな。今度、××も新しい店舗で仕入を増やすらしいから相場が上がるなー。ならば、出品を絞って、相場が上がってから小出しで出してみるか!」などのように具体的な情報をいくつも持ってるのさ。経験のほかに情報も我々には大切だな。
2.あなたはオークションでの中古車の「修復歴の評価基準」はどこでも同じって思っていませんか?
そう思われているんだよなあー。でも実は、オークション会場によって評価点の認識の違いがあるんだよね、実際は。怖いね!たとえば、追突などで車の後部を修理する場合、「バックパネル」という部分はねじ止めではなくて溶接でつないであるから、車両の基本構造部分に該当するんだけど、ここの部分を交換してある車があったとしよう。この車に対する評価があるオークション会場では「3点」(修復歴までには該当しない)、ある会場では「A1点」(重度の修復ではないが軽い修復歴に該当する)という認識の違いがあるんだよ。買う側からしてみればそりゃあ、同じ修理をしてあっても修復歴に該当しないというほうが、高い値段が付くよ!・・・ハッハッハ。
じゃあ、具体的にそんな車を例に出してみようか。ST205のセリカGT−FOURで同じような車があったわけ。そこで、先の「A1」評価のオークションでは490,000円までしか値段がつかなかったなあ。しかし「3点」評価のところに持っていったら598,000円まで値段が入るわけ。その差10万円。知らなければその10万円を損しているよね。まあ、「3点」評価で買う側も分かって買ってるんだからさ、別にいいんじゃないの。だけど、その車をちゃんと説明してお客さんに売っていればいいのだけどねえ。多分こうだと思うよ。「うちは3点評価で仕入れているので事故車じゃないですから安心してください」と言って売ってるんだろうなあ。でも、他のオークション会場ならば「修復歴有り」になっちゃうんだからね。知らないって怖いよ!私なら、ちゃんとお客さんに説明するけど、ここまでの事を具体的に知っている中古車業者もあまりいないからなあ。オークションの評価基準もしっかり認識していないとこうなっちゃうんだよね。
3.あなたは「オークションの出品(検査)票は公正で騙しがないので100%信用できる」と思っていませんか?
ほとんどの中古車業者や多くのオークション代行業者でさえもそう思っているんだが、これは大きな間違い。「事故車」に「4点」の評価点がついていることなんて当たり前のようにあるからね。車種によって勘所のあるような特別にチェックすべきような車もあるから、それは知らないと見過ごしちゃうよね。私のような者は、知っていた上でチェックするからすぐに分かるけどね。逆にオークションの検査員がチェックする箇所や、逆に見落とし易い箇所も知っているから、この知識は売るときも買うときもどっちでも使えるね。でも、知らないと間違いなく大損しちゃうね!
たとえば、20系のセルシオは左右のコーナーレンズの奥の形状とレンズステーの形状の為、軽く車庫いれのときに当てたくらいで、インサイドパネル・バッフルの周辺に歪みが入りやすくて、事故車になっちゃうことが多いんだな。コーナーレンズはプラスドライバーがあればすぐに外せるから、セルシオをチェックするときはここが勘所だな。検査員も夜暗くなってからとか、雨の日は検査レベルが物理的に緩くなるから、外さないと分からないこのような部分の見落としは増えるわけ。
たとえば、ランエボ。この車はフェンダーの固定の為のステーがインサイドパネルのいやらしい位置にあってボルトで止まっているから、フェンダーを軽く接触しただけで、そのままインサイドパネルが変形して歪になりやすいんだよね。上からは見難いから、結構、検査員も見落とすんだよねえ。
たとえば、ジムニ。この車は車体の基本骨格のフレームがバンパーの最前部近くまで出ていて、想像よりも軽く前周りを接触しただけでフレームに歪が入って修復歴有りになってしまうわけ。その場合は、ドロンコ4WDをイメージしてフレームの先端部に泥を付け、舗装していない空き地を少し走らせてみる。そんな状態でオークションの検査を通せば、上手く損傷箇所が隠れてしまって4点入るわけ。
どうかな?こういうことを知っていてオークションの評価を見ていくと「あれっ?」と思う車が、結構あるんだよ。「冠水車」も、意外とオークションの検査では見過ごされやすいから、これも運転席の足元の奥の地金の出ているネジや金具類の錆などをチェックしたほうがいいな。
毎日の業者同士の取引の場のオークションでは様々な手口で合法的(?)な「プロの騙し合い」が行われているのが事実。騙されない自衛のためにもノウハウの有無がその生死を分けると言っても過言じゃないな。もう一度言っておこう。オークションの評価は絶対ではない!と言うことは肝に銘じて欲しい。
【*しかし、この騙し合いはプロ同士だから暗黙の了解でオークションでは使われるけど、それを一般ユーザー(素人)相手に使う(事故車の隠蔽販売など)不届きな業者もあるから、気をつけたほうがいいと思うよ。】
4.あなたは「オークションの検査(出品)票は公正で騙しがないので100%信用できる」と思っていませんか?〜パート2:メーター戻し〜
最近の走行距離管理システムと車検証に走行距離の記載をされることにより、走行距離の意図的な改竄(メータ戻し)がなくなくなったといわれているが、実際にはそうではない!オークションでの走行距離管理システムに引っかからなくても走行距離の改竄が可能な実態があるのだ!
先に「走行距離管理システム」と言うものについて簡単に説明しようか。これは主に、オークションを通過した車両の車体番号とその時点での走行距離と日付をデーターベース化したものだ!つまり、一度オークションを通過した車両が、次回オークション出品された際の走行距離を前回の時点のそれと比較し、走行距離が少なくなっていれば、その間に走行距離の改竄(メーター戻し)がなされたと考えられるのである。そのエラーで上がった車両には出品店に調査依頼が為されるのである。その出品店が改竄に関与していたのであれば厳しいペナルティが課せられる。
しかし、そのようなシステムでも「走行距離のチェック時に距離のマイナスが出ていなければOK」と言うことである。つまりは前回のオークション通過距離が分かっている車であれば、その時点までの距離の改竄は可能であるということである。また、過去にオークション通過履歴のないワンオーナー車の場合は例え点検記録簿などに走行距離が出ていたとしても、その掲載されている走行距離まで走行距離を改竄し(メーターを戻し)てもデータ上は物理的にチェックは不可能と言うことである。よく「履歴の確かなワンオーナー車」という言葉を中古車雑誌などで目にするが、私から言わせれば、合法(脱法と言う言葉が近い!?)的にメーターを戻せる可能性が最も高いのがワンオーナー車であり、「履歴の確か」と言う言葉には疑問を感じるなー。
(*あくまで「メーター改竄と言う犯罪」を肯定するのではなく、エラーが起きないという意味です)
だから、やはり車は実車をきちんとチェックして走行距離と車両の常識的な消耗具合(タイヤ、シート、ハンドルのグリップ部分、パワーウィンドのスイッチ部分、外装パーツのプラスチック・ゴム製部分など)が適当かどうかを見極める必要があるのは言うまでもない。つまり、オークションの検査(出品)票の走行距離に関して言えば、100%安全と言う意味ではなく、現状でのエラーはありません」という参考資料程度に認識すべきだと思う。
■当社は中古車業界にはびこる悪しき慣例「メーター戻し」を許しません!
余談ですが、先日、他の中古車販売店にて購入したお客様が、当社にその車両の売却を依頼されました。そこで「メーター戻し車であるという事実」が発覚いたしました。そのお客様とも相談の上、当社としては弁護士を交えて、法的手段(詐欺罪による告発)も含めて、その中古販売車業者に交渉の結果、1件は「車両の返却と迷惑料相当額の支払い」を1件には「数十万円という改竄距離に応じた返金」にて示談いたしました。当社はメーター改竄は詐欺という憎むべき犯罪行為との認識をしております。もし、そのような事でお悩みの方がみえましたら、ご相談に乗りますので、お気軽に当社までご一報くださいませ。
株式会社メディアトラスト
5.あなたは、オークションの相場は公正な需要と供給の市場原理で決められていると思っていませんか?だから、誰が売買してもその価格は公正な市場原理の上に決められたものと思い込んでいませんか?
確かにそういう部分は大きい。しかし、それが総てだと思ったら大間違いだよ!「相場は意図的に操作されているときもある」と言うことを知っておいたほうがいいと思うな。相場を見ていて飛びぬけて高く落札(購入)されている車が時々あるけれども、そういう車の半分くらいは出品(売り手)側が意図的に価格を吊り上げているようなことが多いよね。
最近は、オークションに直接ユーザーの車を買いに来る業者(たとえばオークション代行業者やユーザーの注文を受けている中古車業者)がよくいるよ。彼らはユーザーから先に予算を決められて注文の車を探しに来ているわけね。つまり、お店に売れるかどうか分からない車を並べておく在庫リスクがなく、その希望の車は確実にユーザーにすぐに販売(換金)できるわけだから、通常の業者が仕入れる値段よりも購入予算に余裕があるんだ。つまり、相場など無視してユーザーの予算いっぱいで買えるラインまで応札ボタンを押すんだよ。その押し方を見ていれば、私のようなプロが売る側ならば、買う側の顔を見なくても予算に余裕があることが分かるわけ。
つまり、相場価格以上の希望価格の設定にセリが始まった瞬間に変更する。そうすると、めいっぱいこちらの売却希望価格を吊り上げてやって、買う側が限界のところで売り切りの指示を出す。そして見事、びっくりするような価格で落札されると言う仕組みだよ。その高値で買っていった車をどういう説明でお客さんに販売するのかねえ。いつもながら、オークションのルールに則っているとはいえ、私は高く売れて嬉しいけど、その先の購入するお客さんの事を考えるとなんとも複雑な気持ちになるねえ。
6.オークション会場では、スパイ並みの駆け引きの連続!?あなたはこの事実を知っていましたか?
オークション会場の中では様々なところで駆け引きが繰り返されてるのさ。会場内での携帯電話での会話内容は、横の誰かに聞かれているかもしれない!注意しろ!そんなシビアな駆け引きの連続だよ。知らない業者さんも多いけどねえ〜笑。
せっかくだからもう一つ教えてあげよう。オークションで現車を下見した車(もちろん欲しいから下見するわけなのだが)に、わざわざオークション検査員が見落とした傷とか不具合を勝手に現車に貼付の出品(検査)票に書いていく「おバカさん業者」がいるが、そういう業者も素人だね。多分、その業者は「これだけ他にも傷や不具合があるよ。だから買わないほうがいいよー!」という他の購入希望の業者に向けたメッセージのつもりなのだろうが、出品側の私がそれを見たら「この車は私が高く買います!」とメッセージを残してあるようなもの。間違いなくセリのときは売り切り価格を吊り上げちゃうね!
また、そんな素人業者は現車の下見をしているときに明らかにそうと分かるような声で携帯で電話しながら、予算の話もしていることが多いね。だから、それを聞いていれば事前にいくらくらいまで応札が入るかも分かるし、ついでにそんな場面に出くわしたら、わざとわたしも相手に聞こえるように「いかにもこちらにも注文のユーザーがいるかのように高い金額で電話しているふりをする」んだ。そうするとその場でもうオークションが始まってしまうね!ハッハッハー。相手の電話している予算が上がっていくのを聞いていると面白いよ。オークションの素人相手の勝負はこれほどまでに単純なんだよ。
だから、もしあなたがオークション代行業者を頼むならば、私のようなプロに頼むか、私のようなプロとオークションで対決しないように祈るしかないな。ハッハハ。 逆に買うときは総てその逆の事をすると安く買えるわけ。たまに、購入希望の車をわざとエンジンがかからないようにバッテリーを上げておいたり、ヒューズを抜いたりする悪質な業者もいるが・・・。(エンジンのかからないような車は十分な下見が出来ないので購入業者は敬遠しがちになり応札が弱くなるが、もちろんルール違反なのでやってはいけませんっ!)出品(売り手)側が慌てて応札の雰囲気が弱い(意図的に弱そうに見せるんだけどね)のに反応して相場の最安値くらいで売り切りをつけたらしめたもの!相場の下の方の想定の範囲内で購入できる可能性が高いよね。
7.あなたは、オークションのコンピュータ応札のボタンの押し方で一つで、応札結果に変化があるって知ってますか?
オークションの車を買おうとするときに、セリ中に希望金額まで応札ボタンを押す訳なのだが、そのボタンの押し方にも色々あって、ケースバイケースで使い分けるのがプロなんだよ。分かりやすく言うとテレビゲームのコントローラーの持ち方や、ボタンの押し方、押すタイミングで結構、反応が違うよね。それと同じさ。確かにボタンを押せば応札は出来るけど、そんなとこにもノウハウがあるわけだな。
たとえば、次の写真を見てもらおうか。応札ボタンの押し方にも色々あるんだ。それと、押すタイミングとスピードも大事だ。セリは1台あたり10〜15秒くらいだから一瞬で生死が決まる。
たとえば、買う場合、競争相手が自分ともう一人の2人で競ってしまった場合、相手が自分のボタンを押して、最終入札者が自分だと勘違いさせるような寸分違わないタイミングでこちらの入札ボタンを応札する方法は有効だな。また、相手がその金額で購入しようかどうか迷ってる迷いの応札をしている場合には、こちらはその上を行く強気の応札(と思わせる)により、相手の戦意を喪失させるようなボタンを押す。これらのボタン一つの話なのだが、ボタンを一押しすれば3,000円〜5,000円のお金が動くことを考えれば大切なノウハウだよね。そこまでいたるにはそれなりの経験と深い読みが必要だな。ここまで考えてオークションに参加している中古車屋さんはそんなにいないと思うよ。逆に自分が売る側ならば、そんな購入希望の相手のボタンの押し方の動きを読むことができる訳だからね。これらも高く売る・安く買う秘訣だね。
持つべきものは信頼できるプロだよ
何度も言うようだが、どこの世界にもわたしのような「プロ」がいるということを忘れないで欲しいな。プロはプロなりの仕事をしてくれるからね、持つべきものは信頼できるプロだよ。まあ、「くるまオークションドットコム」さんの担当者はそういう部分で120%プロの仕事で信頼出来るから、その点では私も自信を持ってオススメするよ!
これからはユーザーがオークションで直接売買するのが主流になるだろうけど、それを依頼する業者選びが大切だね。だって、その頼む先一つ間違えたら、10万円単位で高くもなるし安くもなるからな。
代行手数料の多少のような一時的な金額面のみの見方ではなく、ノウハウ・技術で中古車業者を選択すべき時代も、すぐそこまで来てるみたいだな。