オークションって何? 〜知られざる業者のオークションの仕組みを公開!
ここでは、実際のオークション会場での車両の流れを見ていただきたいと思います。オークションの流れ図を参照しながら、以下詳しく補足説明をつけていきます。
1.出品車両の持ち込み
まず、出品車両をオークション会場に搬入します。その際には「出品票」(車の車名・グレード・年式・色・走行距離・車検年月日、出品店側からの一言アピールなどを記入する用紙)をもれなく記入し、車内ダッシュボードの上に置いておきます。その出品票の記入ミス等があった場合には後日、クレームが入ることもありますので細心の注意が必要です。
2.会場での車両検査
すると、オークション会場の検査員が直ちに車両の修復歴、走行距離改竄の有無、内外装のキズ・凹み・汚れの確認、エンジン、電装品などの各機能のチェックを行いその結果を先の出品票に追加記入して完成させます。これが「出品票(=検査票)」となり、購入希望業者がその車の車両情報・車両評価を確認する基本材料となります。この出品票には各オークション会場の検査基準に則り、最終的にその車両の内外装の評価点数が数段階のレベル分けにより示されます。しばしば業界用語で「4点、 3.5点」などと呼ばれるのですが、それに該当します。 → 出品(検査)票の詳細
3.出品番号・順番の決定
その車に評価点が決まり出品票が完成すると、開催されるオークションでどの順番に出品(セリ)が行われるかを決める順番付け(そのの順番を出品番号といいます)が行われます。ここからはすべての車両が出品番号で管理されるわけです。オークション会場によって、様々な分け方で大きな出品ブロックにわかれています。 ある程度は出品点側がそのブロックの指定をすることが出来ます。たとえば、ワンオーナー車ばかり集めた「ワンオーナーブロック」とか、修復歴車ばかり集めた「事故車ブロック」とか、買取店からの出品を集めた「買取りブロック」などです。
4.出品ヤードに移動
出品番号が決まると、車両は出品データ用の写真を撮影された後、広大なオークション会場の決められた出品車スペースに停められます。
5.下見
ここからオークション開催まではキーがつけっぱなしの状態ですから、希望者は自由にエンジンを掛け、電装品を動かし希望車両の状態を確認することが出来ます。これを購入前に現車チェックをするという意味で「現車の下見をする」といいます。ただし、車を走らせることは出来ません。 もう一つ下見の方法として、専用コンピュータ端末で検索すると、先ほどの出品票と車両の前後の写真を見ることが出来ます。これを先の下見と区別して「画面で下見する」といいます。
6.当日のセリ
セリ開始時間となると出品者はセリの「スタート価格」と「売却希望価格」をオークション会場の担当者に伝えます。これは事前に済ましておけるので必ずしも当日に指示しなくても良いことになっています。もちろん、購入希望者側にはその希望売却価格は分かりません。購入希望者はそのセリがスタートしたらセリの状況をセリ端末画面で確認しつつオークション端末の入札ボタンを押します(これを応札といいます)。ボタンを1回押すごとに3000円もしくは5000円単位で価格が上がっていきます。そして出品者側の設定した売却希望価格以上になると最終応札した業者がその車を購入(落札)できます。、(*このセリへの参加方法は昨今の通信技術の進歩により、衛星通信やインターネット回線の利用により、オークション会場外の店舗や事務所からも参加することが出来まるようになりました。その結果、全国のオークション会場にリアルタイムで参加できる環境が整いつつあります。)
しかし、売却希望価格にまで応札が達しない場合は売却されず(流札といいます)、出品店は次回、再度オークションに出品するか、オークション会場から車を引き上げるかを決めます。
7.セリ終了後
落札された場合は、各オークショ会場の規定に則り、出品店は車両の名義変更用の書類を提出し車両代金を受け取ります。落札店は落札(購入)車両代金を支払い、車両と名義変更の書類を受け取ります。そして規定のクレーム期間中に車両に不具合があった場合にはオークション会場に「クレーム申請」を出すことが出来ます。その内容によっては減額あるいはキャンセル返品などの措置が取られることもあります。落札店は規定の期間内に名義変更を完了させなければなりません。その名義変更完了を持ってその車のオークション手続きは完了となります。